だいたい47度

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「宇宙創成(下)」とみんなが好きな宇宙の話

前回に引き続き、「宇宙創成(下)」を読んだ。上巻の基礎を元に、下巻ではとうとう宇宙創成について話が展開されていく。最終的には、原始のスープが爆発することで宇宙が作られていくモデル「ビッグバンモデル」が科学界の主流となるのだが、下巻はこの「ビッグバンモデル」と「定常宇宙モデル」の論争が一冊を通して展開され、決着がつくまでのストーリーとなっている。

この「定常宇宙モデル」というのが実に面白い。このモデルが登場した当時は、あらゆる銀河が地球から離れて行っていること、つまり宇宙が膨張していることが示されており、それを逆に考えることでビッグバンモデルが提唱されていた頃だった。しかし一方で、ビッグバンが起こったと想定される年代が、幾つかの星よりも若いという矛盾が指摘されていた(後年、観測ミスであったことが明らかになる)。

そんな中「定常宇宙モデル」が提唱される。ある一時点に宇宙が始まり膨張を続けていると考えるビッグバンモデルに対して、定常宇宙モデルは宇宙が無限の過去から存在し、将来的にも大きな変化は起こらないと考える。一見このモデルは宇宙が膨張していることと相反しているように見えるが、発想を変えることでこの問題を解決している。すなわち、宇宙が膨張してできた隙間には新しい銀河が誕生すると考えるのだ。すると、宇宙は膨張を繰り返していながら、全体としては定常状態を保つことができる。無限の空間に一定のパターンで銀河が存在するような宇宙が描き出されるこのモデルは、(最終的にはビッグバンモデルに敗れるものの)とても美しいと感じた。

この定常宇宙モデルの提唱者の一人、フレッド・ホイルは特にユニークな人物だ。当時「力学進化モデル」と呼ばれていた彼のライバルモデルを馬鹿にするために「ビッグバン(大爆発)」という言葉を使ってみたら、ハマリすぎてみんなが使うようになり、結局ライバルモデルの名付け親になってしまったなんてエピソードもある。

彼の仕事で特に面白いものは、どうやって重い原子が宇宙に存在するようになったのかを解明した仕事だ。当時いかなるモデルにおいても、水素とヘリウム以外の原子が生まれる過程を説明することができなかった。その中、ホイルはあらゆる原子についてその方法を解明した。すなわち、星が崩壊する際に、その中心が非常に高温・高圧になることで核融合が起こり、重い原子が作られることを示したのだ。更に崩壊した星が爆発することで、重い原子は宇宙中に散らばり、そこに他の原子が集まることで新たな星が生まれる。

星が崩壊する際にレアな原子を作り出し、それが新たな星のもとになり、その星が崩壊するときには更に重くレアな原子を作りだす。太陽もどうやらそうして生まれた3代目の星であるらしい。星がまるで命をつないでいくような様はなんとなくロマンチックにも感じる。

宇宙の話には誰もがワクワクする。不思議なものだ。

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