だいたい47度

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チームが機能しなくなっていく過程

自分の属しているチームは、チームとして機能しているだろうか?

この質問は非常に答えづらい。まず、躊躇なくYESというのは難しい。少なくとも僕の属してきた団体ではYESと断言できるチームはなかった。チームメンバー全員がチームを最大限に活かす行動をとっていると言い切ることはなかなかできなかった。しかしその一方、完全にチームとして破綻している、というわけでもなかったと思う。どのチームも、集団としてまとまっていて、居心地は良かった。そんなわけで、YESとは言えないけれど、NOとも言い切れない。

質問を変えてみよう。自分の属しているチームは、どうなるとチームとしてもっと機能するだろうか?

これは色々と思いつく。それぞれの長所を活かす。フィードバックを互いに返す。隠し事をしない。相談をする。知識のトランスファーをする。学習をしそれを共有する。etc, etc……。

しかし「それをどうやって行うか」になるとまた難しくなる。隠し事をしないようにしましょう、などと言ってもしょうがないし、隠し事をしたら罰金ですなんてルールもうまく機能しなそうだ。

有用なアクションが思いつかないのは、チームが機能していない理由が明確でないからだ。細かい理由はいくつも思いつくが、それらが体系的な理論に落ちないため、抜本的な対策が立てられない。

パトリック・レンシオーニ著「あなたのチームは、機能してますか?」はチームが失敗する要因を5つの段階に体系化した本だ。前半の200ページでは、架空の企業を使ってバラバラの経営チームが新CEOの元でチームワークを作り上げていく様子が描かれ、その背景のモデルを最期の30ページくらいで説明する形式となっている。

この本の5段階モデルは、チーム機能不全を体系的に把握するのに使い勝手がよい。「それは○○チームのことだから知りません」「ほら言ったじゃん、それはダメだって」「××さんはいつもあぁで面倒だから抜いて話そう」。これらがどうしてチームワークを壊しているのかが体系的に説明できる。


1 第一の機能不全は、チームのメンバー間の信頼の欠如である。これは本質的に、グループ内で弱みを見せようとしないことから来ている。チームのメンバーが、互いに自分のまちがいや弱みを隠そうとすると、信頼の基盤をつくることはできない。

2 信頼を気づけないことが問題になるのは、それが第二の機能不全、衝突への恐怖を生み出すからである。信頼の欠如したチームは、腹を割って激しく意見をたたかわせることができない。あいまいな議論や慎重な発言が多くなる。

3 健全な衝突がないと、チームの第三の機能不全、責任感の不足をまねく。チームのメンバーは、オープンな激しい議論のなかで意見を出さなければ、会議中に表面的には同意しても、本当にその決定を支持し責任感を持つことはできない。

4 本当に責任をもって支持する姿勢がなければ、チームのメンバーは、第四の機能不全、説明責任の回避に走るようになる。明確な行動計画に責任をもって取り組んでいなければ、いくら集中力と意欲をもった人でも、チームのためにならない行動や態度をとった仲間をとがめるのに躊躇することがある。

5 互いの説明責任を追求しないと、第五の機能不全がはびこる環境が生じる。結果への無関心が起きるのは、メンバーがチーム全体の目標より個人のニーズ(自尊心、キャリア開発、評価など)や自分の部門のニーズを優先させたときである。

(「あなたのチームは、機能していますか?」p. 208)


同僚を会社のパーツと見るようになり人として見なくなると、意見を戦わせることが億劫になる。すると会議を開いたとしても、チームとして何かを決めるのではなく、誰々と誰々の間で物事が決まるということになる。それ以外のメンバーからすれば、自分がコミットしたことではないので約束を守るコミットメントもないし、失敗しても知らないよ、といった空気になる。全体を俯瞰した視点がなくなる。というふうに5段階はそれぞれつながっている。

逆にこれをひっくり返してやれば、どうすればチームワークを築けるかのヒントになる。例えば、チームメンバーの人間性を知ることがすべての始まりであることが明確にわかる。すると、飲み会の意義もわかるし、逆に飲み会でなくても目的を達成する方法も思いつけるだろう。

僕は上記のモデルも使い勝手が良く一見の価値があると思ったが、それよりも面白かったのは新CEOが経営チームを立てなおしていく「手法」だ。新CEOキャスリンは経営チームメンバーたちと議論を重ねてチームワークを形成していくが、どうしても必要なとき以外はなるべく黙っているスタンスを貫く。キャスリンが結論を誘導するのではなく、メンバー同士がぶつかり合って結論を出していくことを望んでいるからだ。そうやって出た答えはメンバー全員が納得行くものとなる。

自分は発言を促したり議論の流れを整理・修正したりに特化することで、メンバーの議論を活性化させ、組織の協働を促進することを「ファシリテーション」と呼ぶ。ファシリテーションは、リーダーシップとマネジメントに並ぶ指導者に必要なスキルの一つとされ、当事者同士が解決方法を編み出せるようになることから、時代の流れが早くなり現場の決定力が大事となった現代では特に注目されるスキルである。

キャスリンはファシリテーティブなリーダー像としてうまく書かれており、その視点と5段階モデルの視点をかけあわせて小説部分を読むと深みがでて面白かった。ファシリテーションについては自分の中でいま最もホットな話題なので近いうちに取り上げたい。


あなたのチームは、機能してますか?あなたのチームは、機能してますか?
(2003/06/18)
パトリック・レンシオーニ

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