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やりたかったことはファシリテーションだった

僕は小さいときからアカデミックな世界に生きようと思っていた。素質や志向が研究者向けというポジティブな理由と、内向的で興味のあるものしか見えないというネガティブな理由とから。

その決断になんの疑問も持たず暮らしていたが、大学院の博士課程(後期)まで進学し研究室の人的マネジメントを始めると、研究よりもそれに魅了されてしまった。研究と就職の板挟みになりくすぶっている学生が、環境を整えてあげることで実力を発揮できるようになっていく過程はとても魅力的だった。特に、彼ら彼女らが自分の能力をフルに使えるようになったときの輝くような目を見るのが好きだった。

面白かったのは、僕独りが積極的に働きかけるのではあまり効果がなく、彼らとよく話して解決策を導き出し実行したときはじめて、仕組みは機能するということだった。自分が触媒のようになって組織の力を何倍にもするというのはとてもやり甲斐のある仕事だと思った。

数週間悩んだ末、大学院を中退し、ビジネスの世界で生きることにした。「人が力を発揮できる環境作り」をやってみたいと思ったからだ。研究の世界でも環境作りはできるが、ビジネスの世界の方がそういった仕事に専念できる。環境作りの最も強力なツールはIT技術だと思ったので学習を開始し、また環境作りを勝手にしやすいスタートアップベンチャーに就職した。

それから数年後、気がつくと僕は「人の能力を引き出す環境作りをしたい」という目的を忘れて仕事をしていた。あれだけ悩んだ決断の最も基礎的な部分だというのにだ。人員が足りないスタートアップベンチャーでは、絶え間なく仕事が発生する。しかも自分がやることを誰も知らないことも多いため、1つずつ学習を重ねていかなくてはならない。あまり社会的でない自分の性格も事態を悪くしたと思う。いずれにせよ、仕事に忙殺された僕は当初目的を忘れていた。目的を忘れてしまったことで、僕は社会生活を続けていくのが辛くなってきていた。

そんな中、「ザ・ファシリテーター」という本を読み、自分のやりたいことを思い出した。

「ザ・ファシリテーター」は、日本のビジネスの世界を舞台にした小説の形式を持ってファシリテーションを説明した本だ。ファシリテーション(facilitation)とは、複数の人間が連動するときの様々な障害を取り除き協働を促すスキルのことである。リーダーシップ・マネジメントとあわせてこの3つが集団リーダーには求められる。ファシリテーションの通り一遍の説明を聞いても、なかなか具体的にイメージしづらい、もしくは理想論に過ぎないと思われるかもしれないのだが、「ザ・ファシリテーター」は小説として具体的なファシリテーションの様子を示すことで、ファシリテーションを納得行く形で説明することに成功している。

この本を読んで、3つの大きなことを僕は学んだ。第1に「ファシリテーション」という具体的な名称を知った。元々僕がやりたいことは「マネジメントのようなそうでないような……」といった曖昧なものだったのだが、「ファシリテーション」という言葉を知ったことで、自分のやりたいことの像に実体が生まれ、それを調べる方法も手に入れたのだ。第2にファシリテーションに必要なスキルの内、自分に足りていないものが見えてきた。一番足りていないスキルは頭の中の考えを誰でも分かる図に落としこむスキルだ。このための知識がないと、複数の人間の頭の中を整理することは難しい。第3に適度な休憩がよい議論には必要だということだ。アイスブレイクと呼ばれる会議中の小休止は、凝り固まった頭をほぐすのに使える。様々なアイスブレイクを知っていることもファシリテーション能力の1つともいえる。アイスブレイクは面白いので個別に調べてみてもよいと思う。

こうして具体的な目標が復活したことで、僕自身も復旧した。大目標を見据えて前を見るようになった結果、そのためのステップも見えてきて、毎日が楽しくなってきた。長いスパンでの人生設計が見えてきた。詳しいことはある程度調べがついた時点でここに書くかもしれない。

とりあえず直近ではファシリテーションを中心に据えて、学習を進めてみようと思う。「ファシリテーション入門 (日経文庫)」は読んだが、入門と書いてある通り、概略をつかむのや復習するにはよいものの、「ザ・ファシリテーター」の方がファシリテーションとは何かが血肉となって見えると感じた。一方、このブログでも前述した「あなたのチームは、機能してますか?」などはファシリテーションという言葉は出てこないものの参考になると思う。


ザ・ファシリテーターザ・ファシリテーター
(2004/11/12)
森 時彦

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まとめtyaiました【やりたかったことはファシリテーションだった】

僕は小さいときからアカデミックな世界に生きようと思っていた。素質や志向が研究者向けというポジティブな理由と、内向的で興味のあるものしか見えないというネガティブな由とから...

まとめwoネタ速neo 2012-05-05 (Sat) 12:17


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