だいたい47度

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盲点と脳と言い訳

盲点という言葉があります。
「その発想は盲点だった!」のアレです。

慣用句的に使われますが、盲点というものは実際に存在します。
僕達の目には見えていないのに見えているように感じてしまっている場所があるのです。

左目を閉じて、下の図の☓に集中してください。
その状態で画面に顔を近づけると、だいたい画面から30 cmくらいのところで●が消えます。



☓                ●



盲点は物理的に存在します。
眼球内には視細胞がびっしりと配置されていますが、
視神経が眼球内に入り込むところだけ、視細胞を配置できません。
そのため、そこに当たる部分が、視界の中にあるのに見えない部分、盲点となるのです。

僕達は生きているときに盲点を感じません。
それは両目があることも大きいでしょう。
しかし、片目をつぶっても「あ!ここは見えない領域だぞ」と思うことはありません。
さっきの●も、そこが見えないのではなく、●がなくなったように見えたでしょう。

それは、盲点の領域を脳が勝手に補完しているからです。
●は物理的に見えないのですが、「周りが白いからおそらく見えないところも白だろう」と脳が勝手に判断して補完しています。

この補完に関しては、どこまでやってくれるかを調べてみるとなかなか面白いです。
例えば、途切れている直線の間隙に、盲点をあわせると直線がつながってみえたりします。
曲線を補完できるのか、四角形の角を補完できるのか、人の顔は?



斯様に脳は僕たちを騙しています。
で本題。

脳卒中で半身不随になったにも関わらず、その半身が普通だと思い込む人がいるそうです。
病態失認といいます。
彼らに「あなたの左手は動きますか?」と聞くと「もちろん」と答えます。
「では、その左手でこのコップを取ってください」というと彼らはなんと答えるでしょう。

「いまちょっと手が痛いので嫌です」
「みんなが見ている前でやるのは恥ずかしいです」
といってやらないそうです。

彼らに嘘をついている感覚はありません。
本当にそう思っていて、だからやらないのです。

その結果、リハビリをしないので半身不随は治りません。
自分が半身不随だと理解でれば、リハビリをしたり、他の暮らし方を模索することができるのに。自分の状況を理解できないので、いや、理解していると思い込んでいるので、前進できないのです。



彼らは脳卒中になったから、そんな風になってしまったのでしょうか。
いいえ。盲点をはじめ僕たちは脳に騙され続けているのですから、きっと僕達もこうなんです。

自分が「できない」と思い込んでいるものには、実は全然違う理由があるのかもしれません。
誰かが馬鹿みたいな理由で「できない」と言っていてイイワケに聞こえたとしても、本人は本気でそういっているのかもしれません。

この話を読んで、「人間はそういったもんだ」というバッファをもって自分にも他人にも接するといいのかな、と思ったのでした。

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関係ないけど、最近読んで面白かった漫画。

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