だいたい47度

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Googleと作り手側の論理

NHK総合「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組でGoogleの及川卓也さんという人の密着取材を見た。及川さんはGoogleのプロダクトマネージャーで、番組の主題はどうやってチームを引っ張っていくのかという点にフォーカスしていた。

番組の中でとても印象的な場面があった。プロジェクト推進中に想定外の難しい問題が生じ、チームは緊急対策会議を行う。試行錯誤を重ねた結果、ユーザーの手間を少しだけ追加することで解決できることがわかるのだが、及川さんは首を縦に振らない。なぜならそれは「作り手側の論理」だからだ。

「作り手側の論理」とは、製品やサービスを提供する際に、顧客視点ではなく提供側の視点で製品スタイルを決定することだ。顧客にワンクリックをお願いするだけで開発コストが何割も変わるのであれば、現実的なのはワンクリック追加ということになるが、この判断は顧客側からだけ見ればストレスが増えるデメリットしかなく、作り手側の論理ということになる。

「作り手側の論理」問題は現実性と顧客満足に挟まれた問題だ。確かに顧客満足を追求することは大事だが、それによって製品・サービスの提供が著しく遅れるなど逆に顧客への害となる可能性もある。すなわち、どこまでリスクを取って顧客の満足度を上げるかという問題となる。これに単純な解はないだろう。

ただ、方針を決定するときに「これは作り手側の論理なのか」と考えることは大事だろうと思った。忙しい中仕事をしていると、どうしてもリスクを最小限にしたくなる。今でさえ手一杯なのにリスクを取って更に仕事が倍増したら目も当てられない、この方法で解決するのだからよいじゃないか、これだってそこそこ面倒だ。そんなときに、「これは作り手側の論理なのか」という自問自答は天秤を反対方向へ動かす原動力となる。

誰だって顧客満足を最大にする仕事がいいと思っている。ただ、自分の仕事で目の前が一杯になるとそんなことを考える余裕がなくなる。そんなときに「作り手側の論理かどうか」を思い返して、一度視野を広く持ち直すのは有効だ。「作り手側の論理」という言葉すらも忘れていた自分への反省も込めて。

再放送日時は1月27日(金)午前0時15分~午前1時3分(26日深夜)とのこと。
http://b.hatena.ne.jp/articles/201201/7341

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パイを増やす人と分ける人

集団にはパイを増やす人とパイを分ける人がいるという。前者が新たな価値を想像することで集団のもつ資源を増加させる人、後者が集団のもつ資源を分け与える人ということだ。

この話をするときの典型的な結論は、「確かに集団にはパイを分ける役割の人は必要ではあるが、みんながみんなパイを分ける人になってしまうと、集団内は自分の取り分を増やそうとする政治的な動きばかりになり、最終的には集団そのものが潰れてしまう」といったものだ。

つまりは「パイを増やす人たれ」ということなのだけど、一方で自分が他人のためのパイを作れるという自信が持てる人は少ないのじゃなかろうか。結果、このモデルは社会への関わりを消極的にするようにも思う。

しかし、以下の文を読んでちょっと考え方が変わった。
例えばあなたがポンコツの古い車を持っているとしよう。次の夏休みにぼさっとしている代わりに、その車を修理して元の状態に戻したとしよう。そうすることであなたは富を創り出しているんだ。世界は、そしてとりわけあなたは、ひとつのクラシックカーの分だけ裕福になったわけだ。(ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち 第6章 98p)

自分で食べる分のパイだけを作る人になるという選択肢もあるのだ。人からパイを奪おうとするのではなく、自分がおいしいと思うパイを自分のために作るというのはなかなかに素敵な考え方だと思う。

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言葉を遺すこと

米国の歴代大統領には、離任時に欠かせない習わしがあるという。新大統領にあてた手紙を、ホワイトハウスの執務室の机上に残していくことだ。(日経新聞2012/1/10)

去っていく者の手紙は価値あるものだ。

書き手は、そこに属していた期間に得た知恵や考え方をどうにかして言葉にしようとする。膨大な経験の中から一握りの本質をすくい上げることは、その仕事をやりきったものにしか出来ないことだろう。

しかし、遺された言葉の価値が高い理由は、長い年月が一つの手紙に濃縮され研ぎ澄まされたことのみではない。

読み手がその希少性を理解し、その言葉から多くを学ぼうとして、思索をする原点となること。その触媒のような機能こそが遺された手紙の真価であるように思う。

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